2026.04.08
同梱ミスを防止し、梱包現場の負担を軽減する同梱管理システム【製造業DX事例】
はじめに:この記事でわかること
本記事は、製造業の工場長・生産技術ご担当者・情報システム部門の方で、 「同梱ミスは防ぎたいが、現場負担は増やしたくない」 「システム更新を機に、止まりにくく保守しやすい仕組みに見直したい」 と、お考えの方向けの事例です。
この記事を読むことで、
・なぜ従来のボイスピッキング運用を見直す必要があったのか
・なぜ今回、Windowsベースの同梱管理システムと二重チェック構成を選んだのか
・現場・生産技術・情報システム部門それぞれに、どんな判断材料があるのか
を把握できます。
背景と課題:音声ピッキングと人手チェックに頼った同梱工程
今回ご相談いただいた衛生機器メーカー様では、長年「ボイスピッキング+iPod端末」による仕組みで 同梱工程を運用していました。 しかし、時間の経過とともに次のような課題がはっきりしてきました。
・端末本体やライセンス更新のコストが大きく、次の更新を機にWindowsベースへ切り替えたい
・長時間、声を出し続ける作業スタイルが、作業者の喉や体力の負担になっている
・新システムに入れ替えても同梱ミスによるクレームは増やしたくない
「同梱ミスは確実に減らしたい。でも、新しい仕組みのために現場が振り回されるのは困る。」
そんな思いから、生産技術部・現場の方々が一緒になって、 エクシーズにご相談いただきました。
加えて、単に現場の使い勝手を改善するだけでなく、 今後も保守しやすいこと、他ライン・他工場へ展開しやすいことも重要なテーマでした。 そのため本件は、現場改善にとどまらず、運用面まで含めた仕組みの見直しとして検討が進められました。
解決策:二重チェックと画面指示で支える同梱管理システム
当社がご提案したのは、現場の作業負担を増やさずに同梱ミスの流出を防ぐことを目的とした、 Windowsベースの同梱管理システムです。 同梱工程の流れそのものは大きく変えず、部品確認の精度と、作業履歴の残し方を見直しました。
・作業者はタッチパネルPCにログインし、製品のQRコードを読み取る
・画面上に表示される「入れるべき部品リスト」を見ながら、 QR・文字認識・画像認識など、部品に合わせた方法で照合する
・同梱が終わった製品は、次工程入口の定位置QRで自動チェックされ、 未検査のものが流れた場合はアラートで即座に気づける
これにより、同梱工程内でのチェックに加えて、 「同梱工程を通っていない製品は次工程に流さない」ための二重チェックが実現しました。
現場側の作業フローは大きく変えず、確認の質だけを高めるイメージです。 生産技術部のご担当者様からは、「新しい装置を増やすというより、既存ラインを賢くする感覚だった」との声もありました。
なぜ今回、この方式を選んだのか
今回のポイントは、新しい機器を増やすこと自体ではなく、「同梱ミスの防止」「現場負担の軽減」「今後の保守・展開のしやすさ」を 同時に満たすことでした。
人手チェックを増やすだけでは、確認品質にばらつきが出やすく、現場負担も大きくなります。 一方で、過度に大がかりな仕組みにすると、導入や保守のハードルが上がります。
そこで今回は、画面指示による確認+部品ごとの照合+次工程入口での未検査チェックという二重チェック構成を採用しました。 これにより、現場の作業フローを大きく変えずに、流出防止の精度を高めやすくしています。
XSEEDSの役割と設計思想:現場・生産技術・情シスをつなぐ
本プロジェクトで当社は、
・現場ヒアリング/要件整理
・業務フロー
・画面遷移の設計
・Windowsアプリケーション
・DBの設計/開発 ・QRリーダーやAI画像センサアプリとの連携仕様の整理
・実装 ・テスト、立ち上げ時の現場サポート
といった範囲を担当しました。
AI画像認識そのものは他ベンダー様の専用アプリケーションを利用しつつ、 その結果をどう同梱判定に組み込むか、という周辺部分を当社が設計しています。
設計思想として重視したのは、単に「確認できる仕組み」を作ることではなく、 現場・生産技術・情報システム部門のそれぞれが運用しやすい形に整えることでした。
具体的には、
・各ラインが独立して動ける、シンプルで止まりにくい構成にすること
・「読む・押す・スキャンする」だけで作業が進む、現場に優しい画面にすること
・製品・部品・構成品などをマスタで管理し、他ライン・他工場へ横展開しやすくすること
・履歴やエラーを振り返りやすくし、保守・教育・改善につなげやすくすること
を、大切にしました。
エクシーズの特徴は、画面やアプリを作るだけでなく、 現場でどう使われるか、どう止めずに運用するか、あとからどう改善するかまで含めて 業務設計とシステム設計をつなげている点にあります。
また、情報システム部・生産技術部の視点では、Windowsベースで運用しやすいことに加え、 将来的な保守や機器連携を見通しやすい構成にしたこともポイントです。 現場で使いやすいだけでなく、管理しやすく、改善を継続しやすい仕組みとして設計しています。
導入効果とこれから
本システムの価値は、単に同梱確認をデジタル化したことだけではありません。
まず、同梱工程内での確認に加え、次工程入口でも未検査チェックを行うことで、 同梱ミスの流出を防ぐための確認ポイントを複線化しています。
また、音声入力ではなく、画面指示とスキャンを中心とした運用にすることで、 作業者が無理なく確認しやすい流れに見直しました。
導入後は、長時間作業による喉・体力への負担に関する現場からの声がなくなり、 生産技術部のご担当者様からも「想定していたより現場への定着が早かった」とのご評価をいただいています。
さらに、作業履歴やエラー履歴を残せるため、クレーム対応だけでなく、 教育や配置見直し、ルール改善にもつなげやすくなります。
今後は、こうした履歴の活用を進めながら、 検査工程や出荷工程も含めたさらなる改善や、他ライン・他工場への展開も視野に入れています。
まとめ:工場長・生産技術・情報システム部門ご担当者へのメッセージ
本事例は、
・既存のボイスピッキング環境から、Windowsベースの仕組みに移行したい
・同梱ミスを減らしながら、現場の負担も軽くしたい
・将来的に他ライン・他工場にも展開できる形で整えたい
・現場で使いやすく、保守もしやすい構成を検討したい
といった課題を持つ、工場長・生産技術・情報システム部門の皆様に 参考にしていただける内容です。
なお、初回のご相談では、いきなりシステム開発ありきで進める必要はありません。
現行の同梱フローをもとに、
・どこにミス流出リスクがあるのか
・既存設備や既存運用をどこまで活かせるのか
・現場負担、保守性、展開性のバランスをどう取るべきか
といった観点から、整理すべき論点をご一緒に確認できます。
初回のご相談は、要件が固まっていない段階でも構いません。
規模にもよりますが、現状の課題整理から要件定義・開発・立ち上げまで、数ヶ月単位での対応実績がございます。
そう感じられた工場長・生産技術・情報システム部門のご担当者様は、 ぜひ一度、エクシーズまでお気軽にご相談ください。
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